8月6日 続き

…続き

人でごった返す某駅でNこと合流した私は
とある真夏のイベント会場へ向かいました。

この日なんとしてもNことセックスがしたかった私は
事前に周辺の情報も調べやる気まんまんでした。
しかしのっけから、Nこから
ある用事があり今日は、イベント終わったらすぐに
帰らなければならない、旨を伝えられました。

・・・一気にやる気がなくなりました。

会場まで途方もなく行列が続き、
1時間前に駅に到着したにも関わらず、
イベント開始20分後くらいの会場入りとなりました。

意気消沈していた私ですが、
そのイベントにはある女性アイドルグループが出演していて、
そのパフォーマンスの凄さに心を奪われました。
見た事もない、聞いた事もない音楽と雰囲気で、
最高にかっこ良かったです。
アイドルグループとうねるような会場の一体感に
冗談ではなく、涙が出そうになるほど感動しました。
久方ぶりに良い音楽に出会えた!と思いました。

しかし、女性アイドルグループに興味しんしんな素振りを
アポ中に見せるわけにいかないため、
極めて興味が無い風を一生懸命装いました。

あまりにそのグループのパフォーマンスが
凄すぎて、その後のメインイベントがたいした事ない
ように思えたほどです。

イベント終了後、これまた帰りの行列が凄かったです。
私はNことの距離を縮めるため、
手をつなぐタイミングを必死に見計らっていました。

すると帰りの歩行者の一団がなにやら細い路地に入っていきます。
どうやら近道のようです。
この狭さに目を付けた私はNこをその細い路地に
さりげなく誘導しました。
そこでこれ以上ないタイミングで手をつなぐことができました。
するとNこは笑顔を返してくれました。
私も笑顔になり、そのまま歩きました。

少しやる気がでてきました。
なんとかチューもしたかったのですが、
ついに駅まで人ごみが絶えることはありませんでした。
人ごみの中でチューの勇気は出ませんでした。
Nこと別れ、帰りの電車でアポの反省を行いつつ
itunesでアイドルグループの楽曲を
ダウンロードして楽しみました。

情けないような、やるせないような、
でも音楽が素晴らしくて嬉しいような。

なんともいたたまれない気持ちでの帰路となりました。

しかし、アポで結果を出せなかったけれども、
今回のイベントもNこと出会わなければ
絶対に行っていなかった。
このアイドルグループのライブを目にする事もなかった。
人との出会が色々な物事に繋がっていくと思えました。